長野旅行に行ったら食事はご当地グルメの信州そば
三十数年前、当時結婚したてだった私。妻との小旅行にて信州は長野県に行きました。
緑深い山々や、澄んだ空気に感動をしながら、妻とドライブの時間を楽しんでおりました。
「お腹がすいたね」という妻の言葉で時計を見ると、お昼時を過ぎていたため、食べ物屋さんを探すことに。
「何が食べたい?」「土地の名物がいいな」という会話から、「信州はやっぱりお蕎麦だね」という結論に。(落語「蕎麦清」でもあがっているぐらいですから。)
不慣れな土地のため、そこから30分ほど車でうろうろし、やっと見つけた「そば」の看板。
当時のことではありましたが、お世辞にもきれいな外見とは言えず、また、いわゆる「そばの匠」がいるとも思えない、町のお蕎麦屋さんといったお店を見つけたので入店。
お店には、小柄で愛想のよいおばあさんと、無口で頑固そうなおじいさんのお二人がいらっしゃいました。
お店の雰囲気に不安になりながらも、お腹がすいていたため妻と二人で「もりそば」を注文。
しばらくして出てきたお蕎麦は、つやがあり、みずみずしく、そしてそこにあるだけでそばの香りが漂う、まごうことなき本物の三たて蕎麦でした。
空腹は最上の調味料という言葉がありますが、それを差し引いても、それまでに食べてきたお蕎麦の中で一、二を争うおいしさでした。
その後、信州を訪れることはありませんでしたが、妻との小旅行でおそばを食べる機会があるごとに、信州でのそばのおいしさを思い出話としていました。
先月、私のそば好きを知っている友人が、おいしいおそばとして教えてくれたのが、ここ「雪村そば」です。手土産で渡されたのですが、夕飯にいただいてみてびっくり。
そう、あの時の信州旅行の味がよみがえってきたのです。
早速、友人に連絡をし、どこのものかを聞くと、なんとネット通販で購入したとのこと。(友人は、会社の上司から教わったそう)
ネット通販で、こんなおいしものが味わえることに感謝をし、手を合わせるとともに、あの時の思い出をともに味わおうと、妻の仏壇にいただいたお蕎麦をそなえ、手を合わせたのでした。
その夜、不思議なもので妻との信州旅行の夢を見たのは、きっと偶然でしょう。